相続手続(遺産分割協議書の作成)
~49日の法要も終わり、やれやれこれで一息つける~
などと思っていませんか?
もう皆さんは薄々気が付いているはずです。
そうです相続税の申告です。
申告が不要な方もおりますが、亡くなられた方が不動産をお持ちの場合は必要だと考えておいた方が良いとおもいます。
~今、お金の話をするのは何だし、取りあえずはそのままにして置きたい~
そのお気持ち本当に良くわかります。17年前の私もそう思いました。
しかし残念ながら、皆さんはもうすでに相続しています。
法律上、相続は被相続人が亡くなった瞬間に自動的に起こり(共同相続)、かつ終わっています。ただ各人がどの遺産を相続するのかということと、名義変更などの手続きが終わっていないだけという状態なのです。
また相続税は被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内に申告しなければなりません。この申告には納税も含みます。
~相続税の申告期限は延長できないの?~
個別に事情が違いますので詳細は税理士の先生にご相談いただきたいと思いますが、例外として特殊な事情がある場合にのみ最大2カ月の延長が認められることもあるそうです。
しかし原則として延長できないと考えておいた方が良いとおもいます。もし認められたとしてもたったの2か月です。
ただし申告書の作成が間に合わない場合や遺産の分割(誰がどの遺産を相続するか)が決まらない場合に、概算での申告や法定相続分どおりに相続したと仮定して申告することができるようです。しかしこの場合は、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」の適用を受けることができないとのことです。(相続税の申告期限(死亡日から10ヵ月後)から5年以内に更正の請求をすることにより還付可。また小規模宅地の特例については申告期限後3年以内に分割見込書を提出しているときは、特例の適用可)
~ほかにも何かあるの?~
どんなに財産が多くても、遺産分割が終わらないと、原則亡くなった方の財産を動かすことは出来ません。昨日まではニコニコと対応してくれた銀行員も亡くなったことを知ってしまうと亡くなった方の口座からは一円も払い出してはくれません。
つまり、相続税、その他の諸々の費用をご自分で用意する必要があります。
17年前に父が亡くなった時の私がそうでしたが、葬儀費用、その他なんだかんだと出費がかさみますので中々大変だと思います。
~私は大丈夫、心配無用です~
という方もおられると思いますが、お金の話はともかくとして、遺産の分割を避けることはできません。社会経験が豊富な皆さまはご存じだとおもいます。問題を先延ばしにしてもあまり良いことはないですよね。
~顧問の税理士がいるからそこに頼むよ~
信頼できる顧問税理士の先生がいらっしゃるのであればそれがよろしいかとおもいます。
また弁護士の先生、司法書士の先生に頼まれるのも良いですね。
~それなら行政書士は必要ないのでは?~
まったくおっしゃる通りです。
しかし、それでも私は行政書士が一番適しているとおもっています。
私が今まで見聞きし、経験した中で相続を難しく複雑にしているのは金銭的なことではなく感情のもつれや信頼関係の崩壊だと考えております。
今まで中の良かった兄弟姉妹、親戚が相続を機に口も利かなくなってしまった。そんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかも莫大な遺産があるという訳でもなく、ただ古い一軒家と少々の預貯金しかないのにもかかわらず遺産の分割で揉めてしまったことで老母がその家に住めなくなってしまった。そんな話を聞いたことがありませんか?
~じゃあ行政書士はどうなの?~
行政書士は依頼者の代理人ではありません。また依頼者だけの味方でもありません。
行政書士は相続人皆さまの味方です。行政書士は合意に向けた皆さまの話し合いのお手伝いをさせていただきます。そして皆さまの話し合いで合意したことを書面にいたします。
恐らく皆さまもそうだとおもいますが、相続の話し合いに相続人(特に遺産を多く取るであろう人、長男等)が弁護士を連れてきたりしますと他の相続人はそれだけで身構えてしまいます。たとえその弁護士が一言もしゃべらなかったとしてもです。なんか言いくるめられそうだと感じたり、私も代理人を連れてくれば良かった等々の考えが頭をよぎるのではないでしょうか。そして少しずつ信頼関係が崩れてきます。
しかし私たち行政書士は先ほども申しましたように依頼人の代理人でもありませんし味方でもありません。相続人皆さまの味方です。この行政書士の立場をまずは皆さまにお話をしてご理解いただいてから業務を開始させていただきます。行政書士は依頼者の代理人でも味方でもないため相続人同士の信頼関係が保たれます。
~本当に大丈夫?~
ご安心ください。行政書士は公正中立に業務を行います。
行政書士は相続人皆さまの味方です。合意に向けた皆さまの話し合いのお手伝いをさせていただき、皆さまの話し合いで合意したことを書面にいたします。
相続後も今まで通り兄弟姉妹、親戚同士が仲の良いままの
そんな相続の橋渡しをする。
それが私たちの願いです。