3月1日(水)より城南信用金庫は認知症の高齢者らの財産を保護しつつ、介護施設に入る時などに面倒な手続きなしにお金を引き出せる専用口座「城南成年後見サポート口座」を全国で初めて取扱いを開始したとのこと。
この口座は2種類の預金口座で構成されており、一つは生活費など小口資金用で、キャッシュカードの発行も可能です。また普段は使わない多額の資金は別口座で管理して、複数の後見人の印鑑がなければ預金を払い戻すことができない仕組みになっています。大口の口座から小口の口座へ毎月一定額を振り替えることができます。親族や第三者による財産の不正流用の防止と利用しやすさの両立をめざしているそうです。
5年前に「後見制度支援信託」が導入されましたが、財産を信託銀行の特別口座に預け替えし、家裁が直轄管理する仕組みのためにお金の出し入れには家裁の許可が必要で手続きが煩雑で手数料も高く、利用者は低迷しているとのこと。一方、「城南成年後見サポート口座」では小口の口座は後見人自身が1人で引き出すことが可能であり、大きな資金を引き出すときは、複数の後見人の署名と印鑑が必要なために後見人同士でけん制し合い、下しすぎを防ぐことが可能になる仕組みとなっているそうです。
使い勝手のよさそうなサービスができました。どんなに少額でも必要な時に必要な額が引き出せないと本当に困りますよね。この新しいサービスなら被後見人も日常のお金は自身で引き出せますし、大きな資金は後見人同士がそれぞれお互いをチェックするので不正流用は難しいそうですね。こういう良いサービスはどんどん出てきて欲しいものです。
「ただ若干気になるのは、」以下のコメントが、大いに気になりますので、訂正していただけないでしょうか。
城南信金サポート口座を利用する場合としては、後見人が複数選任される場合が想定されており、複数の後見人の内訳としては、親族が複数選任されることは想定していないと思います。親族と第三者(専門職や城南信用金庫が関与している「しんきん成年後見サポート」)又は第三者複数を想定していると思います。
申し訳ございません。思い違いで書き込んでおりました。訂正いたしました。
そこで少々疑問が生じまして、例えば、第三者(専門職等)が財産管理を分掌し、それ以外を親族が分掌する権限を家庭裁判所より与えられた場合に、第三者(専門職等)が預金の引き出しを請求し、親族がそれに反対した場合に、家庭裁判所が後見人に与えた権限を、金融機関が双方の印章がないことを理由に拒否できるのであろうか?
というものです。この辺りはどのようにお考えでしょうか?
差しさわりなければ、教えて頂けたらと思います。
よろしくお願い申し上げます。
疑問が生じている事案は、「第三者(専門職等)の後見人が財産管理を、「それ以外」の身上監護(身上の保護)を親族の後見人が分掌した場合」ということですので、第三者後見人が単独で預金の払い戻しができると思います。この場合は、親族後見人に財産管理権がないからです
城南成年後見サポート口座が想定しているのは、次のような場合だと思います。
① 後見人を複数選任し、いずれも財産管理権を有する場合
小口預金口座(日常的に使用する生活費等の管理)は、後見人甲が単独で払戻しが可能な口座
大口預金口座(通常使用しない多額の資金管理)は、後見人甲と後見人乙2人の署名押印がなければ払戻できない口座
② 後見人と後見監督人を選任した場合
小口預金口座は、後見人が単独で払戻しが可能な口座
大口預金口座は、後見人と後見監督人2人の署名押印がなければ払戻できない口座
ご指摘のとおり、城南成年後見サポート口座の特徴は、不正防止(財産保護)と利便性の両立を目指して、複数の署名押印がなければ預金の払戻ができない仕組みを創ったことにあります。
また、城南成年後見サポート口座は、後見人が1人で多額の資金を管理するリスクに着目し、複数で管理する事前チェックの仕組みを信用金庫の口座に開発したことにより、全国の金融機関で活用することができます。
大変画期的なことだと思います。
家庭裁判所が推し進める後見制度支援信託により、地方の預金が中央の信託銀行等へ流れています。
人口減少が顕著な市町村にとって、深刻な課題である地方創生の取組に逆行する結果になっています。
さらに、親族を後見人に選任しやすくなりますので、成年後見制度を利用したくても、第三者による財産管理や後見制度支援信託への預け替えを嫌って申立てを躊躇していた人たちにとって朗報となっています。
なお、報道によると、岩手県内の花巻信用金庫が、成年後見事業を担う一般社団法人しんきん成年後見サポート花巻を設立し、城南成年後見サポート口座と同様の仕組みを、近く導入する予定のようです。
成年後見制度が、積極的に活用されることを願っています。
良く理解いたしました。
ありがとうございます。
本当に必要な制度ですので上手く活用されるといいですね。